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歯並びの種類

不正咬合について

不正咬合とは

不正咬合とは、歯並びや噛み合わせが正常ではなく、歯が正しく機能しない状態を指します。不正咬合の原因には遺伝的な要因生活習慣、幼少期の癖などが関係しています。不正咬合は、見た目の問題だけでなく、口腔の健康に大きな影響を与えることがあります。悪い歯並びや噛み合わせを放置してしまうと、むし歯歯周病のリスクが高まり、全身の健康にも悪影響を与えることがあります。
以下では、不正咬合が引き起こす具体的な問題と、その種類について詳しく説明します。

悪い歯並びを放置して
しまうと・・・

口臭やドライマウスに
なる

口臭やドライマウスになる
不正咬合は口臭やドライマウスを引き起こす原因になることがあります。歯並びが悪いと、上下の歯がうまく噛み合わず、口を閉じるのが難しくなることがあります。
この結果、口呼吸が増え、口腔内の乾燥、いわゆるドライマウスを引き起こすことがあります。口の中が乾燥すると、唾液が不足し、細菌が増殖しやすくなり、結果として口臭が強くなることがあります。口臭は自分では気づきにくいものですが、周囲の人に不快感を与えることが多いため、早期の対応が必要です。

歯周病になりやすくなる

不正咬合のもう一つのリスクは、歯周病になりやすくなることです。歯並びが悪いと、歯磨きが十分に行えず、歯垢がたまりやすくなります。歯垢は歯周病の原因菌の温床となり、放置すると歯ぐきが炎症を起こし、最終的には歯を支える骨が溶けてしまうことがあります。また、噛み合わせが悪いと特定の歯に負担がかかり、その部分の歯ぐきや歯周組織にダメージを与えることもあります。
これが慢性化すると、歯周病が進行し、歯が揺れる、抜けるといった症状が出てくることがあります。

むし歯になりやすくなる

むし歯になりやすくなる不正咬合はむし歯のリスクも高めます。歯が重なり合っていたり、正しい位置にない場合、歯ブラシやフロスが歯の隙間にうまく届かず、磨き残しが増えます。この結果、歯垢が蓄積されやすくなり、むし歯の原因となる細菌が増殖しやすくなります。むし歯が進行すると、歯の神経にまで達し、強い痛みを引き起こすだけでなく、最悪の場合は歯を失うことになります。また、むし歯が進行すると治療も大がかりなものとなるため、早期の予防と治療が重要です。

咀嚼機能が低下する

不正咬合は咀嚼機能にも悪影響を与えます。歯並びや噛み合わせが悪いと、食物をうまく噛み砕くことができず、消化に負担をかけることがあります。消化がうまくいかないと、胃腸に負担がかかり、消化不良を引き起こす可能性があります。
また、噛む回数が減ると、唾液の分泌量も減少し、口腔内の健康を維持するための自浄作用が低下します。さらに、脳に対する刺激が不足し、知能や運動機能の発達に悪影響を与えることも考えられます。特に子供の場合、成長期における不正咬合は、早期の治療が必要です。

頭痛や肩こり、めまいを引き起こす

頭痛や肩こり、めまいを引き起こす
不正咬合が原因で、頭痛や肩こり、めまいが生じることもあります。噛み合わせが悪いと、噛む力が均等に分散されず、首や肩の筋肉に負担がかかることがあります。これが慢性的な筋肉の緊張を引き起こし、頭痛や肩こり、さらにめまいを感じることがあります。噛み合わせが原因で生じるこれらの症状は、他の要因によるものと誤認されがちですが、歯科的な治療によって改善される場合が多いです。

顎関節症になる可能性がある

不正咬合は顎関節症の原因となることがあります。顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じることで、痛みや違和感、歯ぎしりなどの症状を引き起こす状態です。不正咬合により、噛み合わせが悪くなると、顎に過度の負担がかかり、顎関節や筋肉が疲労しやすくなります。この状態が長期間続くと、顎関節症が発症し、口の開閉が困難になるなどの症状が現れることがあります。顎関節症は軽度の場合でも生活の質に影響を与えるため、早めの治療が望まれます。

こんな症状はありませんか?

出っ歯(上顎前突)

出っ歯(上顎前突)
上顎前突、通称「出っ歯」は、上顎の前歯が前方に突き出た状態を指します。この状態は、遺伝や顎の成長によるもので、噛み合わせが不十分となり、食べ物をうまく噛み砕くことができません。出っ歯の人は口元の美しさにコンプレックスを抱えることが多く、心理的な影響も大きいです。早期に矯正治療を行うことで、噛み合わせと見た目の改善が期待できます。

歯並びがデコボコ(叢生)

歯並びがデコボコ(叢生)
叢生(そうせい)は、歯が重なり合っている状態で、俗に「乱ぐい歯」とも呼ばれます。叢生は見た目の問題だけでなく、歯磨きがしにくくなるため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。また、歯が重なり合う部分に汚れが溜まりやすく、口臭の原因にもなります。叢生は、顎の成長が不十分で、歯が正常に並ぶスペースが足りない場合に発生します。子供の場合、歯列弓を広げる治療が可能ですが、成人では抜歯を伴う矯正治療が必要になることが多いです。

受け口(下顎前突)

受け口(下顎前突)
下顎前突は、下顎が上顎に対して前に出ている状態です。遺伝的な要因が大きく、幼少期の習慣も関与することがあります。受け口の場合、前歯で食べ物を噛み切るのが難しくなるだけでなく、顎関節に負担がかかりやすくなります。また、発音が不明瞭になることもあり、特定の音が出しにくいといった影響も見られます。軽度の受け口は早期の治療が効果的ですが、重度の場合は外科手術が必要になることがあります。

すきっ歯(空隙歯列)

すきっ歯(空隙歯列)
空隙歯列とは、歯と歯の間に隙間がある状態です。これにより、食べ物が挟まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。特に前歯に空隙がある場合、発音がしにくくなることがあります。空隙歯列は、遺伝的な要因や顎の成長に問題がある場合に起こることが多いです。早期の矯正治療によって、隙間を閉じることが可能です。

歯が閉じない(開咬)

歯が閉じない(開咬)
開咬とは、上下の前歯が噛み合わず、口を閉じた時に前歯に隙間ができる状態です。開咬は、小児期の指しゃぶりや舌を突き出す癖が原因となることが多く、早期の治療が推奨されます。開咬が続くと、食事がしにくくなり、発音にも影響を及ぼすことがあります。成人で骨格に問題がある場合、外科的な治療が必要になることもあります。

噛み合わせが深い(過蓋咬合)

歯が閉じない(開咬)
過蓋咬合(かがいこうごう)は、噛み合わせが深く、下の歯がほとんど見えなくなる歯並びです。この状態では、下の前歯が上の歯茎に当たりやすく、食いしばりによって顎関節症や歯茎の損傷を引き起こすことがあります。
見た目の問題は比較的小さいですが、下の歯が見えないことに加え、笑うと歯茎が目立つ「ガミースマイル」を併発しやすいです。また、強い食いしばりによる歯の損傷や、奥歯への負担が加齢とともに歯を失うリスクを高めます。